試練
先日、バスに乗って後方の座席に座っているとすぐ前の座席に母親と小さな子供が座っていた。子供は「とまります」のボタンをいたずらに押したがろうとしていたがそれを母親が静止していた。子供心にボタンを押すとチャイムがなって赤く光るのが楽しそうに見えるのだろう。
二人はどうも終点まで乗るらしく母親は「最後になったら押していいから」と子供に言っていた。
やがて終点に近づいた。母親が子供にボタンを押してもいいよ、といった。私はばれないように注意しながら間髪をいれずに先にボタンを押した。皮肉なことにボタンは指を伸ばそうとした子どもの目の前で赤くなった。子供は泣きだした。
世の中には信じられないことをする人たちがいる。それを教えてあげたのだ。子供よ、強く生きていくがいい。