毒入り菓子殺人事件(その2)

ただちに警察は殺人事件と断定し、捜査が開始された。警察はまず郵送された菓子の出所を追った。

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問題の菓子は池袋のデパートで販売されたものだった。郵送した場所は豊島区の郵便局窓口だった。対応した局員によると野球帽をかぶった小太りの中年男性だったという。犯人は被害者がこの菓子が大好物で週に2,3回は食べていたことを知っていた人物ということになる。

そして郵送を依頼した人物は、窓口での行動も不審だった。野球帽や半そでの青いポロシャツという目立つ格好もそうだが、自分の名前や住所を書く際にあえて左手を使ったり、住所を書くのを拒んだり普通でない行動をしている。悪事に慣れていないのか、あえて捜査を攪乱する目的なのかはわからない。


被害者の周辺についても事情が明らかになってきた。この中華料理店は経営していた父親が二年前病気で倒れ、兄弟二人で経営を受け継いだものらしい。兄弟とは被害者とその弟である。となると、私たちがみたあの若い男は被害者の弟だったのだろうか。親密さからは確かに兄弟のようにも見えないことはなかったが、風貌はまったく似ておらず正反対のタイプとも言えるほどだった。それに記事によると被害者は44歳、弟は42歳ということだが、若い男はそれよりももっと若く見えた。

私たちがみたあの若い男の正体はいったい誰だったのだろうか。