統計学探偵(その4)

さらに解析を進める。

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境界線の存在である。X=10の直線の左右で明らかに濃度が変わっている。X=9以下はX=10以上に比べて一様に薄くなっている。それは月日に対応した左下の部分にも同様の傾向がみられる。

誕生日と単純に考えると1~9月生まれと10~12月生まれに大きな差があるはずはないので不思議である。一方で、アメリカ形式、つまりX=日、Y=月の場合にはこのようなY=10の境界線が認められない(赤丸参照)。

これは何を意味するか。

Xを2桁の数字と考えたときに、最初が"0"となる00~09は単純に嫌われるのだ。Yについては嫌われていないのだが。

つまりX,Yには順序性がある。X=AB、Y=CDとしたときに、ABCDという数字の順列に意味があり、A=0は常に嫌われる傾向があるということである。

そしてもう一つ。

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左下の誕生日エリアを見ると、X=11月に興味深いパターンが見える。Y=日について、Y=11~19がやや薄い線を描いている。つまりここに一筋の溝がある。11月というのはどんな特性があるのだろうか。

以上の分析を整理すると、X=AB, Y=CDについて次のことが言える。

(1) AB=CDつまり、ABABの形式は高い。
(2) X=誕生月、Y=誕生日は高い。同様にX=誕生日、Y=誕生月も高い。
(3) ABCD=1234、2345、2468などは高い。
(4) ABCD=2850, 0852は高い。

一方で、

(5) A=0はやや低い。
(6) X=11月においては、Y=11~19日はやや低い。

さてこれらを総合して導かれる結論とは何か?

それは、人間の二つの心理の葛藤のドラマであった。