小さい秋

並木道を歩いていると、まるで私を待っていたかのように枯葉が一枚肩に舞い落ちた。私は歩みをとめてケヤキの樹を見上げた。色づいたケヤキの枝葉の隙間からのぞく秋空は高く美しかった。私は思わず懐かしい歌を口ずさんでいた。

ー小さい秋、小さい秋、小さい秋見つけた~♪ 

そういえば、空気も昨日より心なしかひんやりしているような気もする。しかしその次の瞬間、

ーうっ・・・

つまづいた。次の歌詞が出てこないのだ。それもそのはず、歌いだしは「誰かさんが、誰かさんが、誰かさんが見つけた」が正しかった。