とうとうこの仕事も終わりが近づいてきた。一輪車の運転も自分でもわかるくらい上達した。いろいろな人から「腰が入ってきたな」と言われるようになった。最後の晩は、僕を含めてこの飯場をあとにする人たちの送別会だった。とは言っても普段と何も変わらず…
下りのホームに列車が到着するまでその娘はずっと黙りこくっていた。列車が到着してその扉が閉まる瞬間、彼女は意を決したようにこう言ったのだ。「ゆ・・・」発車のベルにかき消されて僕の耳に届いたのは、 の一文字だけであった。それから長い歳月が流れた…
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